正々堂々 高尾の力学 (有段者囲碁選書)

この本を読む限りだと、高尾先生が、じっくりと自分の弱点を無くしてから厚みを築くなどして本格的に打つ棋風なのかな？という印象を受けました。本の構成は、①大半は、２１個のテーマ図があり次の１手を答えながら、高尾先生の実戦を読み進める形式→題材は高尾先生の棋譜です。ただし、総譜は載っていません。序盤の数十手が載っています。②後半に少しだけ、高尾先生が本因坊を獲得した第６０期本因坊戦七番勝負の第１局から第５局までの棋譜の総譜と、この本因坊戦挑戦者になった対局の棋譜の総譜が簡単に解説。という感じです。プロ棋士の先生の打つ碁は、ある程度理解するにしてもアマ有段者くらいの棋力が必要で、私はこの本を買った時は、上級者～アマ初段前後でしたが、よく理解できずに、お飾りになっていました。この頃、アマ四段になり、改めて読んでみて、買った当初に思ったよりも、結構分かりやすく打っていると、やっと少し理解できました。「有段者囲碁選書」と言うのも納得です。高尾先生の棋譜は、プロ棋士の先生の棋譜の中では、級位者や低段者にも分かりやすい参考になる棋風だと思います。ただ、第６０期本因坊戦の七番勝負の棋譜は、相手がコウの張栩先生ということもあり、この本の内容と相反して、やや難しい内容になっています。