アスピリン・エイジ〈中〉 (1979年) (ハヤカワ文庫―NF)

「サッコ＝ヴァンゼッティの最期」無政府主義だったため、見せしめのように処刑された二人の悲惨な死。「リンドバーグ物語」著名航空士の冒険後のその後。「瓦落ーそれはこういうことだった」アメリカ史上空前の大恐慌の一部始終。「ラジオの神父とその信者」ラジオの説教で有名になった偏った思想の神父の顛末。「スター・フェイスフル嬢のなぞの死」名門子女の不可解な死。「アメリカを震撼させたニュー・ディールの１００日間」大恐慌から脱却する為のアメリカ政府の対応の全記録。「大入り満員、ディオンヌの五つ子」まだ、物珍しかった大兄弟の出産の模様。「モロ・キャッスル号の惨劇」事故に杜撰な対応をした船会社と航海士への告発。ということで、今回はやはりアメリカ空前の事態になった大恐慌とその後を描いたレポートが大分を占める構成になっております。聞いた話しによると、この大恐慌は何の銘柄がどうして突然大暴落したのか原因がわかっていないとか。それじゃあ繰り替えすよなぁとか思いました。あと、モロ・キャッスル号の事件が、最近の耐震偽造建築等に通ずる利潤の追求を優先した為に人命を軽視した事件の追求として印象に残りました。歴史ノンフィクションの大傑作。是非ご一読を。