デルフィニア戦記外伝３ポーラの戴冠式 (C★NOVELSファンタジア)
によって 茅田砂胡
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リィが天上世界に帰還して十年。再び訪れたデルフィニアの危機に、時空を超え“伝説の王妃”は故国に降り立つ。だが懐かしいデルフィニアの地に滞在したのはわずか五日。その短くも濃密な日々、リィや王妃を迎えた人々はどう過ごしたのだろう――。「紅蓮の夢」では描ききれなかったエピソードを、「小説ＢＯＣ」に連載された全十話に書きおろしの二話をさらに加えた連作短篇集。
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今作は「茅田砂胡 全仕事」に掲載された「紅蓮の夢」に付随したエピソードを綴った短編集です。なのでもし紅蓮の夢が未読だと半分も楽しめないであろう中身です。小説BOCに載せられた10編に書きおろし2編を加えたもの。まあデルフィニアシリーズを知らない人がいきなりこれを手に取るとも思えないですが(笑)ウォルやイヴン、バルロ、ナシアスといった主要人物の子供たちにスポットが当たっており、彼らの人となりがどのようなものかが描かれているのがよかった。初めてこの作品を読んだのはすでに20年は前なのだが、変わらずこのデルフィニアのお話が好きでいられるのはありがたい。個人的にウォルの育ったスーシャという土地でのエピソードは今回でも軽く触れられただけだったのが残念。ポーラも含めた家族でスーシャを訪れるような話は語られるのか、あるいは在りし日のフェルナン伯爵とウォルとの話など読んでみたい物語は今も尽きない。
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